はじめに
なぜオープントーナメントに関する話を今回するのかというと、JJPRで篝火#5の結果は反映しているのに篝火#4は算入されていない理由を説明しておく必要がありそうだと感じたからです。
端的に説明すると対象大会がオープントーナメントであることを重視しているためなのですが、実はこのオープントーナメントというのが結構ややこしいのです。
オープントーナメントの定義
では、そもそもオープントーナメントとはなんでしょうか?
コトバンクによると「参加資格を制限しないで自由に開放」*1とあります。
なるほど、この定義によると、招待制大会(EPI2など)やVIP未満などの条件に限定されている大会(初スマなど)は対象外になりそうです。
#初スマ
— 12/12レジェンド、リベンジ【初スマ@初心者向けスマブラ大会】 (@hatsusuma_SMBR) 2020年12月5日
スマブラSP初心者大会「初スマ」の参加条件、大会ルールをまとめました!
VIP未満部門は戦闘力チェックを受付で行いますので、必ず写真の準備をお願い致します!
また、初スマでは優勝、準優勝は「初心者卒業」とみなし以降の初スマにはご参加いただけなくなります! pic.twitter.com/kJa6FbqBvy
初スマはVIP前後部門もありますが、参加資格が制限されていることに変わりはありません
では篝火#5はどうでしょうか。
実は、篝火#5にも参加資格があります*2。
・下記に該当する方は、当イベントに参加できません。
当日に発熱(体温が37.5℃以上、または平熱比+1℃)のある方や、体調がすぐれない方(味覚・嗅覚異常を含む)
過去14日以内に海外への渡航、並びに当該在住者との濃厚接触がある方
※昨今の情勢を鑑み、現時点では参加可能地域の制限を設けません。
篝火#5 / Kagaribi#5 | Details より
にも関わらず、JJPRでは篝火#5をオープントーナメントと見なして対象にしています。
それはなぜでしょうか?
競技テニスにおける事例
このコロナ禍においては、競技テニスにおいてもオープントーナメントの定義を問われるような事例が出ています。
四大大会と呼ばれる最高権威の大会である来年度の全豪オープンにおいて出場資格に2度のワクチン接種を義務付けられているため、世界ナンバーワンであるジョコビッチ選手の出場が危ぶまれている事態が起きているのです。
全豪オープンをオープントーナメントではないと指摘する人はほとんどいませんが、定義によるとオープンであるとは言い切れなさそうですね。
ここで、オープン性が重要な理由に立ち返って考えてみましょう。
オープンの意義
オープンであることの重要性の一つは「強さを正確に反映するため」です*3。
スマブラの実力が非常に高い人が参加資格を満たしていないために大会に参加できずランキングにも載らないと、強さを正確に反映したランキングとは言えません。
強さの前では公平であることが重要なのです。
参加資格はないべきなのか
では参加資格を完全になくして、本当に万人に開かれていることが望ましいかというと、そうではありません。
例えば、過去の大会でルール違反の改造コンを使ったプレイヤーは参加資格を失っても仕方ありません。
さらに、極端な場合として強豪プレイヤーに大会会場に着くまでの足止めをするなど物理的な嫌がらせをしたら資格を失うでしょう。
大会自体に直接関係のないケースとしても、窃盗事件の保護観察処分中の少年に参加資格を与えないことも自然でしょう*4。
一般に、公序良俗に反する場合は参加資格を制限されてもオープントーナメントであると考えられるのです*5。
JJPRが考えるオープントーナメント
ところで公序良俗とはなんでしょうか。
ややこしいですが、いわゆる道徳だと考えておけばよいでしょう。
しかし、道徳観は人によって異なります。
私の道徳観に従うと、まん延防止等重点措置が実施されている最中にオフ大会に参加することは公序良俗に反します。
篝火#4が開催された6/26-27の東京都はまん延防止等重点措置の真っ只中にありました
私と似た道徳観を持ち、まん延防止等重点措置中のオフ大会である篝火#4の参加を自粛した方もいるかもしれません。
そのため、その期間の大会がJJPRに入るとフェアではないと考えられる*6ので、JJPRでは対象大会の期間を2021/10/1以降に設定しました*7。
参加資格と公平性
ただ公序良俗のためという名目であっても、参加資格による制限を増やすと当然、強さに対する公平性は失われていきます。
WINNER!#5はワクチン接種済み証明が義務付けられているので、持病などの関係でワクチン接種ができない人は参加資格がそもそもありません
とはいえ真に公平性を確保するのは難しく、この問題については改めて別の記事で取り上げられればと思います。